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性に目覚めた俺にイトコはシャツのスソを上にまくって見せてくれた

俺には同い年の女のいとこがいる。
今では三人の子持ちのいい母親だが、これは子供の頃の話しだ。

彼女の家は地方都市の海辺にあったので、小学校の頃までは毎年夏休みになると、俺はひとりで泊りがけで遊びに行っていた。
一日中海でいっしょに遊んで、海からあがると彼女の家のお風呂にいっしょに入ったりしていた。
三年生くらいまでは俺も彼女も、まったく色気づいてない単なるガキだったから、おもちゃの船浮かべて遊んだりしていただけだった。

ところが四年生の時に少し様子が変わった。
俺が先に浴槽に入っていたら、彼女が胸と股間を洗面器で隠して入ってきたのだ。
いとこは性に目覚めかけていたのだろう。
だが俺はまだ全然目覚めてなかったので、そんな女心をまったく理解できなかった。

「何やってんだよ?アホか?来いよ!」
俺はその洗面器をむしり取るようにして彼女の手をとり、浴槽へと引っ張った。
その瞬間、俺はドキマキした。
彼女の胸と股間が、少しだけ膨らんでいたのだ。
だからいとこは恥ずかしがったのだ。
乳房の膨らみより、乳輪が膨らんでとがっていたのが印象的だった。
去年までのいとこの体じゃなかった。

俺のクラスでも、女の子の胸が膨らんだり、あの女は毛が生えたという噂がたったり、そんな話もぼちぼち出始めてはいたのだが、俺はまだまだ興味はなかった。
だが仲良しだったいとこが、急速に女になりかけている様子を目の当たりにして、さすがに俺は動揺したのだ。
もっとも性的に興奮したわけではないが。

俺はそんな動揺を隠そうとして、わざと陽気にはしゃいで見せた。
手で水鉄砲つくって彼女の顔に浴びせたり、乱暴に船を沈めたり、去年までのように、子供っぽく下品にふるまって見せた。
彼女も安心したのか、以前のようにいっしょに遊んでくれた。
それは去年までと何ひとつ変わらぬように見えて、俺もホッとした。
性的にうれしいことなどまだ何も感じない。
ただ、今までのように楽しく遊べなくなるのが怖かっただけだった。
だが決定的なショックを受けたのは、その後だった。

浴槽からあがった彼女が、俺に背を向けた状態で床においてある石鹸を拾ったとき、俺の目の前に彼女の性器の中身が、丸見えになった。
毛こそ生えてなかったが、中身のヒダが見たこともないくらい色づいていて、しかもプックリと厚くなっているように見えたのだ。
それまで、彼女の性器を(中身まで)見たことがないわけじゃなかった。
同じようなアングルで見たことも何度もあったし、ふざけて彼女のわれめをひん剥いて、中の肉をつまんだことさえあったのだ。
(これはさすがに泣かれたが)

今にして思えば、それでもまだまだ子供の性器だったろう。
しかし、去年までの彼女の性器とは違っていたように見えた。
というより「見たことのない光景」だったのだ。

その時、突然俺は勃起した。
まだ包茎だったペニスが、破裂するのではないかと思うくらいに。
自分の変化にも驚いたが、とにかく胸がどきどきして動悸が治まらない。
俺は浴槽にしゃがみこみ、鼻の下まで湯に浸かって、動悸が治まるのを待った。
何も知らない彼女が俺の方をふり返り、何か言った。
俺は自分の変化を彼女に知られることを恐れた。
俺はヤケクソで「潜望鏡~!」と叫んで、勃起した自分のペニスを水面から出して見せた。
去年までよくやっていた下品なギャグだ。
彼女はケタケタと笑い「バカ!スケベ!ヘンタイ!」と叫んだ。
これも去年までと変わらぬ、彼女のいつもの反応だった。

その夜、彼女と布団を並べて寝ながら、俺は何か甘酸っぱいようなぼんやりとした夢を見ていた。
彼女は寝息をたてながら、その体からはいい匂いがしていた。
俺が夢精をしたり射精をしたりするのは、それからまだ先のことなのだが、この日が俺にとって、「性の目覚め」だった。

翌年、小学5年の夏休み。この年もいとこの家へ泊りがけで遊びに行った。
前の年までは一日中海で泳いでいたのに、その年は半日で切り上げた。
この年からはふたりとも、もう子供じゃなかったのだ。
この一年で、俺は夢精を経験し、ペニスの皮を剥くことを覚え、オナニーの快感を知った。
オナニーの時は、決まって一年前の夏に見た、いとこのあの性器が頭の中にあった。
いとこはますます大人の体になっていて、スクール水着が眩しくてしょうがなかった。
前の年は乳輪ばかりが膨らんでいたのに、今でははっきりと乳房の膨らみになっていた。
股間の膨らみも、太腿の曲線も、目に焼きついてはなれない。
海水浴どころではないのだ。無邪気に遊ぶ時代は終わっていたのだ。

さすがにこの年は、彼女といっしょに風呂に入ることはなかった。
残念だったがしかたない。それは俺も、最初からあきらめていた。
だが、あいかわらず寝る部屋はいっしょで、これは楽しみだった。
毎年、彼女と布団をならべていろんな話をするのだ。
いとこは、クラスの女の子が水泳授業中に、急に「初潮」が来た話をし始めた。
水から上がったその子は、股間から太腿から血で真っ赤で、泣きながら保健室へ連れて行かれたという。
突然始まった「性」の話に、俺はドキドキしながらも、努めて平静を装った。
彼女はどうやら、そういう光景を見てしまった男の子がその子のことをどう思うか、というようなことを知りたかったらしい。
「Kちゃん(いとこのこと)はもう生理あるの?」俺がずけずけと聞くと、
「うん。あるよ。Tちゃん(俺のこと)は?男の子はどうなると大人なの?」
いとこは、まっすぐに返してきた。
俺も素直に、ペニスの皮が剥け、射精を経験したことを伝えた。

その夜はおそくまでふたりで、男の子と女の子のからだのこと、性のこと、恋愛のことを話し合った。
いとこはとても正直に女の子の性を語ってくれた。例えば、
「机の角にね、性器をこすりつけたら気持ちよかったんだよ」
「水泳の着替えで、クラスの○○君のおちんちんがチラッと見えて、ドキドキしちゃった」
「クラスで毛の生えている女の子は○人。わたしもちょっとだけ生えた。Tちゃんは?」

おかげで俺は、布団の中で猛烈に勃起してしまい、彼女が寝ついたあとで、便所でオナニーをするはめになった。

いとこと会えるのは、なにも夏休みだけではない。
親戚一同が集まる正月新年会などでも会えるのだ。
しかしみんなが集まる会では、ふたりゆっくり話をする機会なんてない。
ましてや「性」の話なんて、なおさらだ。
さて翌年、小学6年の夏休みである。
俺は朝早くから家を出て、お昼前にはいとこのうちへ着いてしまった。
もちろん泳ぎが楽しみなのではない。早く話がしたくてたまらなかったのだ。
いとこの母親(俺の叔母さん)は、午後はパートに出るのだ。
夜は6時を過ぎないと帰ってこない。
「海から戻ったらお風呂入ってね。あと冷蔵庫にスイカが冷えているからね」
叔母さんは言い残して出て行った。あとはいとこと、ふたりきりなのだ。
「Tちゃんとお話したいこといっぱいあるんだもんね」いとこが笑って言った。
「うん」俺も笑った。

ふたりは早速、彼女の部屋へ行った。海水浴なんて眼中になかった。
俺は、かばんの中にネタを仕込んでいた。
「じゃ~ん!」俺は大げさに、そのネタを取り出して彼女に見せた。
「あ!その本知ってる!」彼女は目をまん丸にして言った。
「クラスの男の子が学校へ持ってきて、先生に没収されたんだよ!」

『新ちびっこ猛語録』
昭和40年代に少年期を過ごした者なら、知っている人も多いだろう。
いわば、市販の「性の解説本」である。といっても少年・少女向き。
男と女の心とからだ。性器の図解と解説。セックスと妊娠のメカニズム。
思春期の性愛とその悩み。今の時代なら、保健の教科書程度の内容だ。
ちっともいやらしくはない、むしろ真面目な性教育の本だった。
しかし、当の少年たちにはエロ本的な読まれ方をしたのも事実で、PTAには問題視された、当時の「ご禁制」の本だった。

「見せて見せて!」いとこは俺の手から本を取り上げると、部屋の絨毯に直接すわり、ペラペラと本のページをめくった。
俺は熱心に本に見入る彼女の姿を伺いながら、ますます眩しいそのからだを見た。
彼女はとてもスリムな女の子だ。でも胸はそれなりに順調に大きくなっているようだった。Tシャツからブラジャーが透けて見えた。
ホットパンツからのびる白い太腿は、とても柔らかそうでドキドキするくらい可愛かった。
突然、彼女は読んでいた本をバサッと膝に置き、ニッと白い歯を見せて悪戯っぽく笑った。
「はい質問です!Tちゃんは週に何回オナニーをしますか?正直に答えなさい!」
俺はすわったまま、上半身だけ不動の姿勢で答えた。
「ほ・・・ほぼ毎日です!」
「それはしすぎです!わたしはごくたまにしかしません!」
いとこは自分で言ってケラケラと笑った。いとこはいつも直球勝負なのだ。

こうして、二時間くらい「性」の話をしていただろうか。
家の玄関のチャイムが鳴った。
いとこが部屋から出て行くと、いとこと、もうひとり女の子の声がした。
しばらくして、いとこが部屋に戻ってきた。少し困惑した表情だった。
「クラスのお友達来ちゃった。ちょっとだけいいかな?」
いとこの後から、目も鼻も口も、その上おっぱいもすっごく大きい女の子が入ってきた。
爆弾娘の登場だった。

真っ赤なTシャツにスカート姿。なんとなく威圧感のあるそのクラスメイトは、俺を見てなぜかクスクスと笑いながら会釈をした。俺も無言で会釈を返した。
いとことクラスメイトは、なにかごそごそと俺にはわからない話をした。
そしてその話は、ものの五分くらいで終わったようだった。
なのにクラスメイトはちっとも帰るそぶりを見せなかった。
いとこは困ったような顔で「今日は親戚の子が来てるから・・・」と言った。
しかしクラスメイトは、そんないとこの困惑を完全に無視して、俺をじろじろ見て言った。
「こんにちは。はじめまして。なにやってたの?ここで」
「あ。どうも。いや。べつに・・・ただ話を・・・」
「何の話?」
「・・・学校のこととか・・・」
「うっそ~だ~ね~!」その子は、突然大きな声で笑って言った。
「へへ~。こんなの読んでたんだ~」ニマ~と笑いながら、床に落ちていた本を拾った。
『新ちびっこ猛語録』だった。

クラスメイトは、いとこのベッドに図々しくどっかりと腰をおろし、悠々と本をめくった。
俺といとこは、このあつかましいクラスメイトのペースに、完全に呑まれていた。
「なるほどね。けっこう詳しく書いてあるわね」クラスメイトが本を閉じて言った。
「でもまあ、子供の読む本よね」と妙にませた口をきいた。
「Mちゃん(クラスメイト)は、子供じゃないの?」いとこが挑戦的に言った。
「うん。子供じゃないよ」クラスメイトが涼しい顔で言ってのけた。
「だってあたし、もう何度もセックスしてるもんね」

爆弾発言!
俺といとこは仰天した。
今の時代じゃないのだ。時代そのものがまだオクテだった昭和40年代なのだ。
青春ドラマの不良娘だって、キスされたくらいでびびっていた時代なのだ。
なのに小学6年生の女の子が、自分の性体験をサラリと言ってのけたのだ。
もう俺たちは素直になるしかなかった。そして彼女の性の講義を拝聴することにした。
ベッドの上の彼女は先生で、絨毯の上の俺たちは生徒だった。

彼女は近所の中学生の男の子と、定期的にセックスをしていたのだった。
俺もいとこも、セックスに関してはいろんな疑問があったが、結局最終的には、
「あんな小さなところに、勃起して大きくなったおちんちんが、ちゃんと入るのか?」
・・・ということにつきた。
「入るよ。初めての時はちょっとだけ痛いけど。でもたいしたことないかな?」
「二回目からは全然痛くないよ。でもあそこがちゃんと濡れてないと痛いかも」
「だからいっぱい濡らさないとね。クリトリスってところがいちばん気持ちいいから・・・」
いとこが肯きながら言った。
「知ってるよそこ。気持ちがいいとそこから汁が出るんだね。おしっこみたいに・・・」
「え?」クラスメイトが怪訝な顔をした。
「おしっこ?なあに?どういうこと?」
「だから、いつもはクリトリスからおしっこが出るけど、気持ちいいときは別の汁が・・・」
クラスメイトがはじけたように笑い出した。

「ぎゃははは!Kちゃん、やだ!何言ってんのよ!女のくせに・・・」
足をバタバタさせ、からだをゆすって笑うので、大きな胸がゆさゆさと揺れた。
「クリトリスからはおしっこ出てないでしょ?自分のからだ、なんにも知らないの?」
「違うの?」いとこは消え入りそうな声で言った。ずっとかん違いをしていたらしい。
そういえば、もっともっと子供の頃、いとこは自分の性器の、なかみのお肉を、“小さいちんちん”とか、”おんなちんちん”とか呼んでいたのだ。
男のおちんちんと同じように、おしっこも出ると思い込んでいたようだ。
いとこは、顔どころか耳たぶまで真っ赤になってうつむいてしまった。
「ふーん。今まで自分のちゃんと見たことないんだね?ホント子供だね。Kちゃんは」
なにもそこまで言わなくていいのに、と俺が思うまもなく、爆弾娘の二発目の爆弾が炸裂した。メガトン級爆弾だった。

クラスメイトはベッドの上で、すっと立ち膝をつくと、スカートのホックに手をやった。
そしてパチンとホックがはずれると、彼女のスカートはストンと膝まで落ちた。
白い下着とむっちりした太腿がむき出しになった。
一瞬のできごと。俺は口半開きで、呆然と彼女のすることを見ていた。
いとこの方は両手のひらを自分の頬にあて、目はこれ以上ないくらいにまん丸に見開き、それはちょうど、手塚治虫の「ブラックジャック」に登場するピノコがよくやっている、“アッチョンブリケ”のしぐさと表情、そのままだった。
(もちろん「ブラック~」が描かれるのは、まだ先のことだ)
爆弾娘はパンツ姿のまま腕組みをして、俺の方を見て、凛とした口調で宣言した。
「いとこクン!こっから先はあなた、ちょっと向こう向いててくれるかな?」

「あ!うん・・・」俺は慌ててばたばた後ろを向いた。
どうやら女の子同士の、特別授業が始まったようだった。
「Kちゃん。よく見てね。クリトリスはこれ」
「ね?おしっこの穴なんてどこにも開いてないでしょ?おしっこの穴はここ・・・」
「おちんちんを入れる穴はここだよ」
「ここは伸び縮みするんだよ。おっきいおちんちんが入っても平気だよ」
後ろの声を聞きながら、俺は息が荒くなって、もう倒れそうだった。

「はい!いとこクン!もういいわよ」
やれやれ。クラスメイトの声に、俺は少しホッとして、また向きなおった。
そして、今度こそ倒れそうになった。
彼女はパンツをはいてなかった。体育すわりの格好で、両膝を抱えてニヤニヤ笑っていた。
「では十秒間だけアソコが出ま~す!」
爆弾娘はそう言うなり、パカッと両膝を開けた。
「だるまさんがころんだっ!!はいおしまいっ!!」
・・・膝が閉じられた。実質一秒半。俺は固まった。
横目でチラといとこの様子を伺うと、彼女も“アッチョンブリケ”のまま固まっていた。

嵐の後の静けさ。
クラスメイトはあの「だるまさん」の後、脱いだ時と同じようにサクサクとパンツをはき、サクサクとスカートをはいて、「じゃ~ね」と軽く去って行った。
帰りしなに、「まあ、子供はご本でお勉強だね」と言い残して。
床の絨毯には、まだ『新ちびっこ猛語録』が置いたままになっていた。
だけどそんなの、もうどうでもよかった。完全に色あせた宝物だった。
俺は大いに悔やんでいた。千載一遇のチャンスだったのに・・・。
確かに印象だけは、はっきりと残っていた。興奮もした。
真っ白な太腿。真っ黒な毛。そして真っ赤なその部分。
しかし、具体的な物体は?そこにくっついていたはずの、色鮮やかで生々しい突起物は見えたのか?
見た。確かに。だがその形を絵に描け、と言われりゃ無理だ。
なんせ一瞬のできごと。心の準備が出来ていなかった。
ふだん同様、ここ一番の勝負弱さがモロ出てしまった。
くそ~ぜんぜん十秒じゃねえじゃんかよお~・・・。
俺はため息が出た。

気がつくと、いとこがとても真剣な顔をして俺の顔を見ていた。
「Tちゃん、さっきの、興奮した?おちんちん立った?」
俺は正直に答えた。
「・・・うん。・・・ちょっと立っちゃった」
「Tちゃんは、Mちゃんみたいな女の子好きなの?」
「まさか!」俺はびっくりして言った。
「好きなわけないよ!変な子だよ。ちょっとおかしいよ」
「好きな女の子のじゃなくても、あそこを見ると興奮するの?立っちゃうの?」
「女の子はちがうよ」いとこは真剣な顔で続けた。
「女の子は、自分の大切なところは、好きな男の子にしか見せたくないよ」
「なかにはMちゃんみたいな子もいるけど、ふつうは好きじゃないと見せたりしないよ」
「見るのだって、好きな男の子のじゃなかったらやだよ。うれしくないよ」
そしてポツリと言った。
「・・・でも男の子はちがうんだね。女は損だね」
いとこはゆっくりと立ち上がると、俺の真正面に立った。
「わたしも、ちょっとだけ見せてあげる。目つぶって」

「いいって言うまで開けないで」
俺はドキドキしながら言われるとおりにした。
「いいよ」
目を開けると、パンツを脱いだいとこがいた。
少しかがみこんで、股間をTシャツのスソで隠していた。
「せーの・・・」彼女は少しのけぞりながら、シャツのスソを上にまくった。
ぷっくらとした股間のふくらみに、ぽわぽわっと、淡い毛が生えていた。
「・・・だるまさんがころんだ!」
ほんの一瞬だけ、彼女が片手で、「チョイ」という感じでわれめをひらいてくれた時、その可愛いらしい薄桃色のお肉が見えた。
そして、いとこは急いでTシャツを下ろし、そのまましゃがみ込んだ。
十秒よりは短かったが、爆弾娘のよりは長い時間だった。
ほおと耳が紅潮していて、抱きしめたくなるくらい可愛かった。
胸がキュンとなるような、いい気持ちな興奮だった。

いとこと俺はベッドに並んですわっていた。
彼女は少し高揚していて、俺を横目で見ながら、おどけた調子で言った。
「ぐふふ。Tちゃん!今日はずいぶん得しましたね~!ふたつも見ちゃいました~」
「Mちゃん、さっきの話だけど」今度は、俺が真剣だった。
「男だってホントは同じなんだ。たしかにあんなの見ちゃうと、男はすぐ立っちゃうんだけど・・・」
「でも好きな子とそうでない子では、全然ちがうよ。好きな子の方がずっといいよ」
「さっきだって、あの子のなんかより、Kちゃんの方がずっと・・・」
「Tちゃん!あのね!」
俺の話をじっと聞いていたいとこが、一瞬、真剣な表情になったので、俺は緊張した。
彼女はついさっき、大切なところは好きな男の子にしか見せない、と言っていたのだ。
もしかしたら、とドキドキした。
いとこなのに。親戚なのに。どうしよう。

しかし彼女は、三日月のような目になって、ニマ~と笑った。
「Tちゃんは今、おちんちんが立っちゃってますですね~」
「えっ?!」俺は動揺した。
「だからですね~。いくら真面目なこと言ってもですね~。な~んかカッコ悪いのですね~」
いとこが指差した俺の股間は、ペニスの形がわかるくらい、高いテントを張っていた。
彼女はベットから立ち上がり、がっくり来ている俺に追い討ちをかけるように言った。
「もうママ帰ってくるからね。早くそのおちんちん、小さくしちゃってね」
もちろん言われなくても、ちんちんはあっという間にしぼんでゆき、あとはふたりで、海水浴に行かなかった言い訳を、ずっとあれこれ考えるのだった。

昭和47年の夏のできごとだった。


翌年、中学に入ると、もう夏休みの泊りがけ海水浴はなくなった。
もちろん、もうオトナだから、という理由なのだが、俺たちは親の予想よりも、少し早く、オトナになっていたことになる。
実際、俺もいとこもクラスの中では大きい方で、その分マセていたとは思う。
もっともその翌年、泊りがけではなかったが、彼女の家に行った時のことだ。
今度はぜひ、俺のちんちんを見て欲しくて、正直言うとポロッと出しかけたりしたのだが、いとこには、じつに軽~くあしらわれて、終了してしまった。
それをやるには、タイミングが一年遅かった。
どうやら常に彼女の方が、俺より一年早く「オトナ」だったようだ。

いとこはけっこう可愛かったのだが、それは俺の贔屓目ではなかったと思う。
彼女は中学高校の6年間、陸上部で中距離の選手として部活動をしていて、県大会クラスくらいまでは出場していたので、他校生にも人気があったようだ。
俺の高校で、「○○高の○井」って可愛いよな、みたいな話を聞いたこともあった。
あっさり風味の、ボーイッシュな体育会系少女、といったところか。
しかし俺はグレコのギターを抱えて、バンド少年の真っ最中だったから、話も合わない。
自然、親戚全体の集まり以外は、行き来もなくなっていった。
久しぶりに彼女とゆっくり話をしたのは、昭和も60年代になってから。
あと数年で昭和そのものが終わろうという頃だった。
彼女が結婚する直前、就職して地元を離れていた俺が帰省した時に、いっしょに飲みに行ったのだ。

ひさびさの再会に、思い出話は尽きなかった。
ともに過ごした夏休み。時間を忘れ、海水浴やいっしょのお風呂や、いろんな話をした。
しかし、6年生の時の「あのときのこと」だけは、話が出来なかった。
嫁入り前のいとこに対して、なんとなくタブーのような気がしたからだ。
しかし彼女は別れ際、酔って俺に抱きついてきて、
「Tちゃん!今日はありがとう!Tちゃんはわたしの思い出の人だよ。だって、わたしのあそこ見たのは、ダンナ以外は、Tちゃんとあと二人くらいだもんね」
と言ったあと、自分で照れて「えへへ~」と笑った。
そして、「Tちゃ~ん!ちんちんは好きな子にだけ見せるんだよ~」と言って手を振った。
嫁入り直前の彼女は、すっかりホンモノのオンナになっていて、とても眩しく見えたが、中身はあいかわらずの「直球勝負のKちゃん」だった。
(了)……長々と失礼しました……
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[ 2015年11月21日 18:22 ] カテゴリ:小中学時代の体験談 | TB(-) | CM(-)
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